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セラミック矯正の一例

セラミック矯正という言葉をご存じでしょうか。

歯並びを矯正治療ではなく、歯に被せ物をする事で歯並びをきれいに変える方法です。歯科医師の中でも賛否両論で非常に嫌う先生がいらっしゃることも事実です。やはりきれいな歯を削るデメリットがありますし、本来歯に対してかかるべきでない方向に咬む力がかかるなどデメリットが複数あることもその要素として挙げられると思います。しかし、患者さんにとったらメリットがあることも事実だと思います。

矯正治療と比較し、治療期間が早く終わること、費用が抑えられること、歯の色が変えられる事などメリットに感じられる事も複数あります。

また、矯正治療にも限界があります。実際に歯を動かし始めると思った動きにならないこともありますし、動かし方によってはゴールの実現性が低い場合もあります。

上記のような点を踏まえ、患者様がご希望された場合はその治療法が患者様にとってベストであると思うので、全力で結果が最大限希望に沿うように力を尽くさせていただきます。

今回はそのような説明の上で一度健康保険適応の被せ物で矯正をして、変色が気になられセラミックの被せ物でやり替えを希望された方を紹介させていただきます。

50歳代の男性の方でした。元々出っ歯だったとのことで歯の角度を大きく変えるため神経を取る治療を行い被せ物を入れたそうです。10年程前に治療したそうです。正直外すのが恐ろしいですが定期健診でお話しするうちに決心がついたとのことで被せ物を外すことにしました。

金属の被せ物により被せ物の際が黒変し、被せ物事態も変色しています。

被せ物の中はどの歯もむし歯が進行し、細菌による汚染が重度でした。

10年程前に根管治療も行われていましたが、これだけ内部に細菌感染が進んでいるため当然根管内も汚染されており根管治療からやり直しを行いました。根管治療後に被せ物の作製のステップに移行します。

今回の患者様はこれまで入れていた被せ物の角度や口元の出具合は気に入られていたため、仮歯の時点で口元の評価を行い、1カ月仮歯で過ごしていただき、咬みにくくないか、しゃべりづらくないか、口元が出ていないかを確認しました。

仮歯での審美面、機能面の検証

問題ない事を確認後、仮歯を口腔内でスキャンし、スキャンしたデータを最終的なセラミックの被せ物に反映させ最終の被せ物を作製しました。

非常にきれいな被せ物を作製頂いた。技工士に感謝です。

最終の歯が入った状態。被せ物もきれいであるが歯茎もきれいな状態を保てている。

最終的な被せ物は色も満足いただけ、また歯茎も炎症のないきれいな状態を保てている。天然のご自身の歯の色が少し暗めの色であり、色にもこだわりを持たれていたためどの歯を基準にするのか確認をし色合わせを行った。

そのかいもあり、一度目で色調に満足いただけた。難しい場合は再度色合わせを行う場合もあります。

また、健康保険の被せ物は基本的には金属を土台に使用するため経年的に歯が黒変するデメリットがあります。このような場合はできるだけ歯を歯茎の際まで削り、セラミックで覆い、またセラミック内面に色を遮蔽するような色を合わせて歯の黒変を隠すことができます。その点も非常に喜んでいただけました。

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