根管治療

BLOG

奥歯の根管治療(根の治療、神経治療) 1年後

今回は治療直後ではなく治療後の結果の紹介です。

根管治療の場合、その治療が成功に導くことができたどうかは、『口腔内で咬めて歯として機能できてるかどうか。』というところに機能的には私としても同意ですがレントゲン的にも異常が無いか確認する必要はあるかと思っております。

根管治療の失敗の多くは感染が歯の根の先に到達し、骨が溶けることによってレントゲン的に黒い影が映るようになります。

レントゲン画像では硬いものは白く、柔らかいものは黒く写ります。患者様にも同様に説明させて頂いておりますが、骨は白く、口腔内の空気は黒く写っています。

1枚目の画像の奥歯の根っこに注目してください。奥歯は頭も大きく、根っこも2本、もしくは3本、もしくは4本に分かれています。それだけどっしり力がかかる部分なんです。なので、根管治療も難しいのですが。

根の先が黒くなっているのが分かります。この部分は感染によって骨が溶けているのです。

根の中に前に治療をされた先生が根管(根の中の神経の管)の掃除後に材料を入れているのが白い線として見えていますが、この材料が根の先まで言っていないように見えます。

また、細い管を消毒液で洗浄していこうと思うとある程度の太さの管にしてしまわないと根の中の洗浄が消毒液がいきわたらずに不十分になってしまいます。

治療前のレントゲンで見ると根の先まで触れていなさそうであったこと、また根管の拡大をもう少し大きくすると洗浄が十分に行えて治癒させることができると考えて再治療に移行しました。

根管治療は4回も5回も繰り返しできません。根の中を削る治療になるため、繰り返すごとに根の中の歯がうすくなり割れてしまう可能性が出てくるためです。

また、そんなに何度も同じことをして治っていないものを同じ方法で治るでしょうか。以前に治療にかかわられた方が根管治療に不慣れであればあるかもしれませんが、やはり根管の周囲の歯が薄くなることを考えると、その場合は外科的に根管治療を行うメリットの方が多いと感じます。外科的な根管治療についてはまたの機会にお伝えできればと思います。

根管治療は個人的にはとても地味な処置だと思いますがとても奥深く、していて楽しみを感じます。

やること自体はとても単純で度々紹介させていただいている、ラバーダムによる感染源(唾液)の除去と、根管内の感染物質である以前使用されている材料の除去、根管内の洗浄がメインになると思います。

根管内を極限まできれいにしていくのみです。そのためにはマイクロスコープを使用して汚れを目で見て掃除する事も非常に大切になってきます。

イメージして頂くなら、目の前のテーブルを拭き掃除するのと、目で見えない棚の奥を手探りで掃除することの効率の違い、拭き残しの違いでしょうか。目で見ながら掃除した方がきれいに、また効率的に掃除できることは容易に想像できます。

今回の場合は保険外の根管治療を行ったため根の中に詰める材料も保険のものとは性質が全く異なるものを使用できているので、その点でも有利であったかもしれませんが1年で根の先が白くなってきていることが確認できます。

骨が再生してきているため白く写っています。レントゲンで見ていただきと患者さんにも分かりやすく治療の成果を実感して頂け、喜んでいただけました。治療後から1年かかり喜びを伝えて頂けましたが、すべてにおいてですが全力を尽くしてよかったと思える瞬間でした。

トップに戻る